紙糸の歴史
手仕事としての紙糸
綿糸や絹糸が入手できなかった山陰や東北地方などで、農家の自家用に主に反故紙を用いて作られていた。
特に宮城県白石では紙糸を用いて織り上げた紙布が名産品として、江戸幕府への献上品とされる。
明治以降衰退したが、昭和に入り、方法を研究し復刻。
全国で数名の紙布作家が活動中。
量産用としての紙糸
大福製紙株式会社は、薄く強い機械抄きの和紙を得意とし、金糸銀糸用、マスキングテープ用などの原紙を製造。
商社からの依頼で紙糸用の原紙開発に着手。
強度と伸びのある紙を開発し、1982年特許取得。
その後主にサマーニット用の糸として販売を拡大。
近年では織物やインナーなど用途を広げている。
美濃和紙糸の製品ができるまで
自生及び栽培されるマニラ麻は非常に成長が早く2~3年で成熟し収穫できます。成熟したマニラ麻を伐採して葉脈部分を裂いて繊維を取り出します。
マニラ麻の葉脈繊維をパルプ化、日本独自の抄紙機にて均一で薄く、強い原紙が作られる。
和紙を0.1mm単位でカット。スパイラル状に巻き取ります。
テープ状の和紙に数百回の撚りをかける。
紙糸を織機、編機にかけ生地・製品へ。
紙糸の特徴
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美濃和紙ブランド
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スリットや撚りの工程で切れにくい |
和紙のミクロの世界
和紙糸は渦のように何層にも重なっている特殊な形状。 この空気を多く含む形状が断熱性、吸放湿性等の様々な特性を生んでいると考えられる。 電子顕微鏡写真(250倍) |
抗菌効果
【試料表記】 試験項目:抗菌性 【試験結果】 |
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生菌の対数値 | 抗菌活性値 | ||
菌液接種直後 | 18時間培養後 | ||
試料① | 4.6 | 5.3 | 2.3 |
試料② | 4.6 | 1.4 | 6.1 |
試料③ | 4.6 | 7.0 | 0.6 |
綿標準白布 | 4.6 | 7.5 | - |
提供:大福製紙㈱ 試験:(一財)ケケン
松久永助紙店は“和紙を暮らしに”をテーマに、身近なくらしに寄り添う和紙の素材から商品までを提案いたします。 また製紙会社の大福製紙(株)をはじめ、各協力工場と連携し、紙糸の原紙製造から、スリット・撚糸・交撚・染色・製織・製編・縫製までの企画サポートも行っております。 美濃和紙の伝統を共に発信して下さる、コラボ企画も歓迎です。 お問合せをお待ちしております。 |